
行政法は条文の記憶よりも仕組みを理解
行政書士試験は法律の試験なので、一般的には条文を記憶することが重要です。しかし、行政法に限っては、行政庁の命令の種類や行政代執行や審査請求などの仕組みを理解することが重要になります。行政法では、条文が民法のように体系だっているわけではなく、どちらかといえば点在している法律の総称を行政法と呼ぶからです。そのため、行政法を攻略するには、教科書と過去問を通じてどういうシステムになっているか理解するのが近道だといえます。
民法や商法は条文の記憶が必要
民法や商法は、法律学の基本に戻って条文の記憶をすることが大事です。民法は、条文の共通する部分が先に記述されているパンデクテン方式なので、条文を順番に記憶することが有効だからです。また、会社法を含む商法は民法以上に細かい規定が多く、また民法の特別法の性質を有するため、民法と同様に条文中心の学習が良いといえます。ただし、六法をひたすら読む学習ではなく、過去問を通じて学習し、時々条文を参照する学習を心がけると良いでしょう。
基本的には過去問中心の学習を
行政法では仕組み中心の学習、民法と商法は条文中心の学習が良いと説明しました。しかし、いずれの科目も共通して重要なのは過去問を有効に活用することです。過去問は、傾向と対策をつかむことができるだけではなく、解くことでメリハリの利いた学習ができる利点があります。最初は、解くのではなく問題と答えと解説を読むだけでもよいでしょう。過去問を中心に、教科書や条文を参照する学習スタイルで、行政書士試験の合格はぐっと近づきます。
行政書士の試験は近年合格率が低下しています。その主たる原因は得点率の安定しない一般常識の試験科目と民法の記述問題があります。